【特別寄稿】 平林潔氏、茅ヶ崎沖大型カワハギ攻略!
2013年10月30日 / text:平林潔氏 photo&edit:C.S.C.NAOMIE
長く釣り雑誌のライターをしていると、とてつもなく個性的な人と出会ったりする。
一俊丸のC.S.C.ナオミさんもその1人だ。
いやいや、その1人だなんて言っては失礼だな。
なんたって、個性的という意味ではダントツなのだから。
……もっとも、釣りの腕の方は怪しいけどね(ゴメン!)
そんなナオミさんから、突然カワハギ釣りのお誘いをいただいた。
彼女も同船するというが、はてテクニカルで繊細なカワハギ釣りができるキャラだったっけ?
……と思いつつ10月30日に茅ヶ崎港一俊丸に向かった。
カワハギ釣りは僕の好きな釣りの1つで、釣り歴は随分と長い。
横浜カワ研の例会にも何度か参加したが、カワハギ釣りの技はそういった場で古くから脈々と伝承され続けてきた。
テクニックといっても、基本はしごく単純なものだ。
ところがどっこい、昨今のカワハギ釣りのハウツー記事を見ると『わけがわからなくなるほど、カワハギ釣りが難しくなっている』じゃないか……。
うーん、これはおかしいぞ!
難しいテクニックっぽく書いて、カッコよく見せているのだろう、というのはひねくれ者の見方だろうか。
釣具メーカー主催のカワハギ釣り大会の影響も大きい。
なんたって数釣り勝負だから、ワッペンサイズも確実に釣るような仕掛けや釣り方が横行する。
ところがどっこい、みなさん、楽しみに釣りに来て、ワッペンサイズばかりを数釣りしようと思いますか?
持って帰ったって食べるにゃちょっとね。
引き味もどうってことないし、結局いくら釣っても、可哀想だからリリースするしかないわけでしょ?
昔はカワハギらしいカワハギを釣ろうってことで、ハリだってチヌ1号や0.8号あたりを使っていた。
ところが今はシロギスバリみたいな小さなハリで、ワッペンサイズもキャッチしている。
釣り方にしても小型主体となれば、あれこれと小細工をすることとなり、それがまたまたカワハギ釣りを難しくしている。
「いいのかなあ? この傾向」と思うのは僕だけではないはずだ。
■ 当日の平林さんのタックル
竿 / オリムピック INDIVIカワハギ-180H 20〜40
リール / AbuGarcia Ambassadeur 4601C
仕掛け / DAIWA 快適カワハギ仕掛け(幹糸を長く伸ばして使用)ハリはスピードの7.5号
中オモリ / 蛍光色の噛潰しタイプ。
エサ / 一俊丸、生剥き身アサリエサ(300グラム、1500円)
中オモリに集奇を、チャラチャラたくさん付けている人も見受けられるが、潮の抵抗等で逆にアタリを不鮮明にする結果となる。
弛ませたりするのに中オモリが必要ならシンプルな丸オモリタイプがベスト。
派手な集奇でカワハギを寄せることを考えるよりも、カワハギがエサを口にしたサインをキャッチすることを優先するのがいい。
アサリがフワフワしていれば、別に集奇を使わなくてもカワハギは寄ってくる。
通常、僕のカワハギの道糸はPE1号か0.8号。
当日、駆けつけてくれた村越正海さんはもっと細いラインを使っていた。
PE1号でも根掛かりした時に切れ、全損に泣くことが2度あったのに、村越さんには全損が無い。
細いPEラインを使いこなすプロとして知られる村越さんの説明によると、原因はリーダー(先糸)とのこと。
僕はカワハギ釣りにはリーダー不要と考えていたが、PEラインに結び目を作ると簡単に切れてしまうので、根掛かりで全損する確率が高くなるのが事実。
ちなみに村越さんにリーダーを結んでもらったら、その後の根掛かりでPEラインが切れることがなくなった。リーダー接続には簡単なのもあるから、接続法の1つや2つは覚えておいた方がいい。
『村越正海のかんたんリーダー結び』動画は>>
さて、当日の一俊丸のカワハギ船は、平日だというのにほぼ満船。貸し竿の人もチラホラ。
村越正海さんと僕、そしてナオミさんの順で左舷ミヨシから並んで座った。
村越さんと一緒に釣りを楽しむのも久々だ。
舵を取るのは堂満貴之船長。趣味がカワハギ釣りというだけあって、前日のお休みにはプライベートで、よそのカワハギ船に乗ってきたというから、こりゃあ本物だ。
数より大型を狙うというポリシーもいいよね。
ニコニコ顔の船長の操船で河岸払いしたのは定刻の7時。
釣り場は目と鼻の先のエボシ岩周りの水深20メートルダチ。
スタートのアナウンスがあったが、僕も村越さんもまだ仕掛けの準備中だった。
一足先に竿を入れたナオミさんの竿先がタンタンターンと叩かれているのを見て「ありゃま……」とビックリ。
引きからしてなかなかの型のようだが、なんと海面でポチャン!
僕は見てしまった。
25センチほどのカワハギがユラユラと海の底へと泳ぎ去るのを……。
それとナオミさんのベソかきそうな顔を……。
その後、船中でも20センチオーバーサイズが何尾か出てくる。
特に左舷は、いい感じで釣れているようだ。
小型と大型の混じりって感じで中サイズがいない。
僕も小型を2尾釣ってリリースした後、タンタンターンと激しく突っ込む引きで20センチ級をゲット。
前日はトップ30枚ほど、スソ17枚という釣果だったようだが、この日も中型が数出ればもっと釣果が伸びるはず。
大型と小型混じりでは、誘いの的が絞りにくいのが難点なのだ。
▲ 平林さん、前半から飛ばしまくり!
船上の様子を見ると、貸し竿を含めてカワハギ専用竿が揃っている。
メーカーもまちまちなのだが、カワハギ竿というと9対1調子か、8対2調子が一般的だ。
いずれにしても穂先の先端の一部だけがフワッと軟らかくて、その下はシャキットしている先調子竿。
そうすることで感度を研ぎ澄ませ、竿先の操作がダイレクトに仕掛けの動きに反映するようにしている。
問題は穂先のフワッの部分だ。
フワッと曲がっても、元に戻る反発力が強い竿は避けた方がよい。
この跳ね返りの力が食い込みを悪くする。
メーカーは販売戦略でいろいろな新製品を毎年発表しているが、カワハギのエサ盗りの技が毎年巧妙化しているわけではない。
新製品を次々と追いかけるのもいかがなものだろうか?
良い竿は4年たっても5年たってもベストロッドであり続けるはず。
そういった1本の竿に出会っていただけたら、と思う。
船長は小型が目立つと場所を移動する。
水深30メートル近いポイントや、15メートルていどの浅場も流すが、どこも根の際で、
「出れば大きいです」というアナウンスが入る。
トモで「オーッ」という声が上がったが、ジャスト30センチの大型カワハギが取り込まれた。
胴の間でも20から25センチ級がポツポツ取り込まれていて、船中盛り上がりが凄い。
▲ 最大の30センチを釣ったのは、トモ2番、宇賀神さん。
この後には27センチもキャッチ!
村越さんに続き、ナオミさんも念願の良型をゲット。
激しく叩かれる竿を持つナオミさんの顔は激しい引きに驚いた顔が固着状態。タマ網に入ってホッ……。
やはり小型と大型じゃあ、インパクトが全然違うからね。
貸し竿の女性も良型をゲットして大騒ぎだ。
ビギナーの方が大型を数釣るシーンは過去に何度も見てきた。
これは誘いが素直なのがプラスしているせい。
数釣りをしようとしてあまり凝った誘いをすると、小型が釣れても大型には敬遠されがちだ。
だから数釣りのハウツーを読んで船上で実践すると、泣きを見たりする。
▲ トモから3番目、菊池さんは10枚釣ったうちの、20センチオーバー6枚をキープ。
最大27センチでその下は26センチ、25センチ……と良型を揃えました。
僕のカワハギ釣り、誘いの基本は3つしかない。
第1のパターンは底釣り。
第2のパターンは+ーゼロの状態(通称ゼロテンション)での誘い。
第3のパターンは縦(宙層)の誘いだ。
※ 詳しくは『平林潔流 誘い方・基本の3パターン』参照>>
合わせのコツだが、即合わせは案外と成功しない。
今のタックルは敏感なので、アタリが出る前の、魚がエサをついばむ感触も伝わってきたりする。
竿先にコツッという感触がきたらわずかに竿先を下げてテンションを抜くか、逆にわずかに聞き上げてやると、タンタン……という食い込みのアタリが出たりする。
そこでスーッと竿を立てながら聞き合わせるといいだろう。
同時にリールを巻く。
もっともこのタイミングもなかなか難しく、それがカワハギ釣りの面白さでもある。
合わせ損じた時にはすぐに仕掛けを回収せずに、すぐに続けての誘いに転じるべきだ。
エサさえ残っていれば、再度同じ魚が食ってくることもある。
これはエビタイ釣りなど、他の釣りでも言えることだ。
▲ライトタックルと言えば、この方、村越正海プロにも参戦していただきました。
村越プロのカワハギ釣りは、一言で言えば『無理のない釣り』。
派手な誘いもなければ、乱暴に補食させることもしない。あくまで魚の習性に合わせて、自然に釣っていくといった感じです。
釣果より釣趣。主に使用するのも汐よしの和竿であることも、うなづけますね(ナオミ)。
海はベタ凪ぎ、汗かくほどの陽気で村越さんもナオミさんも、のんびりとカワハギ釣りを楽しんでいる。
村越さんは独特のスピニングリール釣法でいい調子で釣っている。
さすがだね。
ナオミさんはしょっぱなのバラシからしばらく落ち込んでいたが、なんとか調子が出てきたようだ。
私のほうはというと、トトト……のアタリでスーッと聞き上げ合わせを入れる。
すぐにタンタンターン……キュキューンと竿が曲がった!
大型確実! と思ったら突然、フワッ?
アリャリャ、バレてしまった!
しかしすぐに仕掛けを落して、第2のパターンで誘い始めると……トトン……。
再び竿先に反応があるが、うまく合わない。負けじと、続けて誘い直して静止。
トトトという魚信でスーッと聞き合わせると、タンタンタンの強烈な引きが続いた。
途中で何度も、
「オオーッ」の声が出るほど強い引きだ。
船長がタマ取りしてくれたのは27センチのグットサイズ!
例え巻き上げ途中にバレても、カワハギが高確率で再度食い直してくる。
魚にしたら、ハリから逃げられたというより、食べていたエサが急になくなったという意識なのだろう。
だから急なバレにも慌てず、仕掛けを落とし直すのが、◎。
してやったりの1枚だ!
これなんですよね、欲しかったのは! あー、スッキリ!
▲当日はこのようにハリ先が口に貫通せず、くわえただけの状態で上がってくることが多く、バレが目立ちました。
そんなこんなで14時頃まで遊んだが、トップは左右大ドモ氏で17枚。
僕は12枚。
村越さんもほぼ同数だった。
スソは4枚だったナオミさんだが(笑)、25センチオーバーサイズは船中多数という印象。
良型揃いの一日だったから楽しかった。
外道はシマダイ(イシダイの仔)にカサゴなどなど。
ベラは虹色のキュウセンベラが混じったが、実はこの刺身は美味。まずまずのキュウセンベラが釣れたら持ち帰るといい。
良型カワハギの強烈な引きを楽しんだ上に、頻繁にアタリが続いてなんだかんだと釣れたから、船から降りる顔はみなさんニッコニコでしたよ。
翌日の釣果はアップし、13〜33枚で7割が良型だったようだ(いいなあ……)。
堂満船長!
大型狙いの姿勢を頑固に維持し続けてくださいよっ!
カワハギ釣りはこれでなくっちゃね。
▲平林さんの誘いレクチャーを受けた直後にキャッチ! 大事なことは闇雲に誘うのではなく、「基本の誘い3つを、明確に行い、答えを出すこと」と、平林さん。
『平林潔流 誘い方・基本の3パターン』詳しいハウツーは>>
■一俊丸カワハギメモ:2015年11月
| 出船〜帰航 | 7時〜約15時 |
| 乗船代 | 男性8,500円。女性、小・中学生7,000円 |
| オモリ | 25〜30号 |
| タナ | 15〜30メートル |
| レンタル | 手巻きリール、竿、竿受けのセットは500円 |
| DAIWA極鋭カワハギAGS M−170A(定価71,000円)は 3,000円(要、前日まで予約) |
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| あさりエサ | 生剥き身:300g 1,700円 (1日の使用料は300〜425gほど) ※ 生むき身エサもご予約なしで買えます。 |
| マルキュー冷凍エサ:大 1300円 / 小 800円 | |
| その他 | レシピ おろし方 船上動画 達人の秘伝テクニック |
▼30センチ以上のカワハギを釣った方には『撃墜ステッカー』をプレゼント