マルイカが乗った時にタックルから伝わる『ドスン』という確かな手応えは、イカから「まいった!」と聞こえてくるようで、私が一番好きな瞬間です。
この瞬間を何回も味わいたくて、シーズンになると様々なフィールドに通っては試行錯誤を繰り返しております。
マルイカ釣りを始めてまだ3年目ですが、水深60〜80メートル、深場のライトマルイカ釣りでの、私なりのスタイルやこだわりを紹介したいと思います。
みなさんの釣りの参考にしていただけますと嬉しいです!
マルイカのタックル
タックルは基本的に使用するオモリの号数によって変えています。
水深60〜80メートル前後では、40号か50号のオモリを使用のため、下記タックルを使用しています。
【竿】DAIWA メタリアマルイカMH-150
8:2調子の硬めの竿なので竿の吸収が少なく、狭い幅の「スッ」とした合わせが可能なのが気に入っています。
ただ竿の吸収が少ない分、イカに違和感を与えやすいことも。イカがスッテを離す前に、釣り人の瞬発力でハリ掛かりさせることが必要かな、と感じます。
【リール】DAIWA スマックレッドチューン100SH-L
水深60メートル前後なら、手巻きで頑張れる範囲ですね。タックルの総重量が軽ければイカの重みも感じやすいです。
電動リールの場合はシーボーグDAIWAの150J-LにPE0.8号を使用しています。
【PE】DAIWA UVFベイジギング6ブレイド+Si 0.6号
オモリ50号までならPE0.6号を使用します。細いとラインが立ちやすいので、アワセ遅れも軽減されます。
【リーダー】DAIWA ディーフロン船ハリス4号
【オモリ】DAIWAドラゴンシンカーTG40〜50号
▲ 船上に持ち込むスッテ。よく使うものは、左のように小箱に入れて船ベリに置く。
マルイカの仕掛け
基本は5本直結ですが、タナやアタリスッテが分かってきたら、1本減らして4本直結にします。
スッテの本数を少なくすれば、下の方のスッテに出たアタリも分かりやすくなりますし、手返しもよくなると思います。
またできるだけ直結でやりたいですが、海が荒れていて巻き上げ途中のバラシが多い時は、下2本だけ直ブラにすることも。
▲直結仕掛けは最初5本で様子を探る。タナとアタリスッテが分かったら、手返し重視で4本に。
巻きバレの多いシケの海では、図のように下2本は直ブラに。
仕掛けは自分で作っていて、4号ハリスでスッテ間は1メートル、捨糸は3号1メートル。
間どりがジャスト1メートルの理由は、タナが計算しやすいからです。
イカフックには極小スイベルを付けて、糸ヨレや身切れ防止をしています(写真上)。
ハリ掛かり後にイカが逆噴射で抵抗する時、掛かりどころによってはイカがグルグル回転するようなので。
▲ 仕掛け巻きには100円ショップのディッシュスタンドを加工したものを使用。
▲ 船上での小物の配置。
投入器にオモリ入れ、スッテに付いた墨を掃除するための歯ブラシ。
竿休めの脇に、カウンター。
▲船ベリにはカーペットを敷く。
投入までは、一番上のスッテは竿先に位置させる。2、3番目はカーペットに刺し、4、5番目は、投入器の中。
船ベリの下には発泡素材のロールを配置。移動時にハリスが交差しないように、切込みにハリスを挟んでおく。
マルイカのスッテローテーション
先発は、とにかく好きな、というか実績のあるスッテを並べます。自信のあるスッテ順に中央から配置するのですが、正直気分で決めています!
釣り始めは、移動のたびにスッテをどんどん交換して試していきます。また釣れた人のスッテと位置を盗み見し、参考にして、自分なりの候補を数個にまで絞ります。
スッテの候補ができたら、その中で並び順を決めるのですが、配色には1つだけ気をつけていることがあります。
それは同じスッテや、すごく似ているスッテは連続で並べないことです。
誘い幅はわずか1〜1.5メートルほど。スッテの間取りが1メートルだと、この誘い幅には、1〜2つのスッテしか通過しません。
イカの前にアタらないスッテを2回通過させるのはもったいない、という理由です。
個人的に自信のあるスッテは、DAIWAのミッドスッテ43Sのケイムラ泡ハダカとピンク泡ハダカです。
売られたままの状態が一番釣れるでしょうが、船上では同じものを使っている人が多いことも考えらえます。
もしかしたらそのスッテはすでにイカが見ていて、触らなかったかもしれない……。
そこで人とは違う、オリジナルのカスタマイズをほどこしたスッテを混ぜたりもします。油性マジックで色を塗ったり、カラー糸を巻いて帽子を付けたり。
特にミッドスッテ43Sの単色泡ハダカ系は、誰でもカスタマイズが簡単に出来るところがいいですね。
▲ 愛用のDAIWAミッドスッテ。右のピンクの青帽は自身で糸巻きしたもの。
竿の構え方
私のマルイカ釣りの竿の構え方はかなり独特ですので、参考にならないと思いますが、要は、
・竿先をなるべく近くで見たい
・竿先をなるべく横から見たい
・イカの重みを簡単に感じ取りたい
この3つの要素を充実させていくうちに、自然と独特の構え方になっていきました。
リールの持ち手ではない手(私の場合は左手)を竿の中央あたりに添えて、竿を斜め(横方向)に傾けて、竿先を目線の近く寄せるような構え方です。
合わせの時は添えている手を上げ、反対にリールの持ち手のほうは、軽く降ろして合わせます。
イカが乗ったかどうかは、竿先を見つつ、竿に添えている手の重みで判断します。
マルイカの誘い方
マルイカの攻め方の流れは『着乗り』⇒『誘い』⇒『巻き落とし』です。
まずオモリが着底したら、底にある状態からゆっくり糸ふけを取って着底直後のアタリを聞きます。これでイカが乗る場合は着乗りと呼びます。
▲着乗りのイメージ
巻き落としは、仕掛けを一気に10メートルほど巻き上げ、イカの視界からスッテを一旦消して、再度落としてリセットするというものです。
▲ 巻き落としのイメージ
この2つは特にこだわりはなく、教科書通りの手法で行うのですが、この2つの間の『誘い』の部分は、1流しで何パターンか試してみて、その日にあったものを見つけるようにしています。
【誘いのパターン1.】
スロー聞き上げ ▶ 空アワセ
一番多く試すのはこれ。
50センチを3秒くらいかけてゆっくり聞きあげていきます。
竿の角度が45度近くなったら空アワセをして、誘い幅分(1〜1.5メートルほど)巻き取ります。
これをくりかえしてタナを探ります。
時に、底からオモリの位置が5メートル、仕掛け幅10メートルくらいまでタテに探ることもあります。
【誘いのパターン2.】
デッドスロー聞き上げ ▶ 空アワセ
次に試すのがこれです。
【1.】よりもさらにゆっくり探るバージョン。
20センチを3秒くらいかけて、超ゆ〜っくり聞きあげていきます。竿の角度が45度近くなったら空アワセをして、以降は【1.】と同じです。
【誘いのパターン3.】
ステイ ▶ 30センチ聞き上げ ▶ ステイのくりかえし
リアクション的に狙いたいときはこれを試します。
30センチ聞き上げたらピタッと止めます。
5秒くらい止めたら、また30センチ聞き上げ、再度ピタッと止めるのくりかえしです。
止めた後が一番アタリが出ます。
3回ほどくりかえすと竿の角度が45度近くになるので、誘い幅分の90センチほどを巻き取ります。
アタリが出ない時は、状況により、さらに上方にタナを探っていきます。
【誘いのパターン4.】
ステイ ▶ 巻き落とし
状況がすごく渋くて、打つ手がない時はこれです。
仕掛けを10秒程度止めておく▶巻き落としのくりかえしです。
落とす時は前回より、オモリの位置を1メートル上で止めるようにします。
マルイカのタナが分かってきたら、一番自信があるスッテがそのタナを通るように、『1』〜『5』の誘いを試していきます。
スッテ・タナ・誘いの3つをどんどん絞っていくことが本アタリの近道だと思っております!
マルイカのアタリ〜合わせ
マルイカのアタリは基本的に「竿先がもたれる(下がる)」「竿先が戻る(上がる)」「竿先が震える」の3つどれかです。
イカにやる気があってスッテを抱く時間が長ければ、これらのアタリはそこそこ明確に出ます。
しかし船は波で上下していますので、竿の上下とアタリが相殺されて「違和感」程度のアタリしか出ない場合も多々あります。
違和感は例えば、「船の上下のと竿先の上下のリズムが一瞬狂った気がする」とか「いつもは動かない穂持ちの部分が動いた気がする」のような微小なレベルのこともあります。
そこで、出船して間もないころはアタリや違和感を察知した瞬間、とにかく全て合わせてしまっていいと思います。
その日のアタリの出方に慣れてくると、「これはアタリ」「これは違う」の差がなんとなくわかってくると思います。
私の合わせは狭い幅(30センチほどでしょうか?)で「スッ」と早めに聞きあげるようにしています。
強すぎたり早すぎる合わせは、身切れの原因になるので注意。優しい合わせをすることでイカに墨を吐かれにくくする効果もあると思います(墨を多く吐かれると、他のイカが警戒して乗り渋るみたいです)。
イカがノリノリで多点が狙えそうな時は、アワセた後に速攻で巻き上げないで、5メートルくらい、ゆっくりゆっくりPEを巻き取っていき追い乗りさせます。
巻き上げ〜取り込み
巻き上げのスピードは中速です。中速というのは感覚値ですが1回転/1秒くらいの巻き上げ速度でしょうか。
巻き上げ中のバラしが多い時は少し巻き速度を遅くしたり、イカがしっかり抱いていてバラしが全然ないのであれば、手返し重視で巻き速度を速くします。
電動リール(シーボーグ150J)の場合は、モニタに表示される巻上げ速度は「20」前後にしています。バラしが多い時や海が荒れている時は「18」前後、しっかり抱いていそうで手返し重視の時は「22」前後です。
イカが特に抵抗するのは「掛けた後」と「水深0〜10m(イカから船底や水面が見えるから?)」ですので、そこだけ慎重にやり取りしてあげればよいと思います。
取り込みは、とにかくマイナス方向に緩めないことが鉄則です。1杯1杯、慌てず取り込めば問題ないですよ!
高槻慧(タカツキサトシ)氏プロフィール
■ TV大阪『ザ・フィッシング』や各種釣りイベントなどに出演し、釣りの楽しさを世の中へ広める『ダイワ スーパーフレッシュアングラー』のメンバー。
■ 小学生でバスフィッシングを始め、ソルトルアーフィッシングやエリアトラウト、エギングなどルアーフィッシングに夢中になっていました。
SFA(スーパーフレッシュアングラー)になっていろいろなジャンルの釣りをする機会が増えましたが、今では沖釣りがメインです。
カワハギ、マルイカ、タチウオなどテクニカル系の釣りが多いですが、沖釣りはなんでも大好きですので、関東だけでなく他の地域でも確立されている釣りは全部やってみたいです。
沖釣りをする若者が少なくて残念に思っています。
若い人たちにも沖釣りの魅力を伝えられるような活動していきたいと考えております。