釣船 湘南 茅ヶ崎 一俊丸

号泣のわけ

 ゴールデンウィークのウルトラマンショーは、怪獣の怖さに5分でリタイアしたナオ太郎(仮名)。
そのウルトラマンショーに先日またトライしてきた。
 前回の反省の元、今回選んだのは大ホールの2階席。
間近で怪獣を見る訳ではないので、今回こそ達成率が上がると思いきや、ナオ太郎は場内に足を踏み入れた途端、
「ママァ〜、暗くて怖い〜」
「怪獣が出て来て怖くなったら、外に出てもいいから」と約束すると、なんとか座席に収まった。
 ふぅ〜、ヤレヤレ…。
 さてこのショーだけど、どうしようもない着ぐるみ感とか昭和を感じるセットとか…そんなものを語るのは野暮ってもん。
 とにかくストーリーは本当よくできてる。
 ウルトラマンと怪獣の戦いに宇宙人の子供をからませ(ママ役はエプロン付けたダダ…)今回はメッセージも大人と子供用にちゃんと2種類用意されていた。
 要約すると、forママには、
「子供が成長するのは自力で。
大人は手を貸しすぎずに、きっかけだけ作ればいい」
 forお子様には、
「他人の力を頼りにしないこと」
 甘ったれの私は大人用ではなく、子供用のメッセが心に響く。
ウルトラセブンに諭されているうちに私は、号泣。
 その間ナオ太郎は、あまりの怪獣の怖さとストーリーに感情移入しすぎて、やっぱり号泣。
「もう帰りたい〜」と泣きわめくけれど、自分が席を立ちたくないばかりに私はナオ太郎を膝に座らせ、がんじがらめ。
 ラスト近く、待ってましたとばかりに、ティガ、ガイヤ、ダイナの平成ウルトラマンが登場すると、もう〜大興奮。
く〜、マジで感動した〜。
「これからはなんでも自分で頑張ります」と私は熱くウルトラマンに誓ったのだ。

 ところが、めでたし、めでたし…となったところで、ステージの大スクリーンに映し出された文字。
 それは…
 ウルトラマンからの最後のメッセージ…
「今日少しだけ、大人に近づいた君へ…」
 まだ涙がおさまらず歪んだ文字を読む私…
「地球の平和を…」
 え? 地球の話…?
「君にたくす!」
 えええええっ?!
 一瞬で涙が乾いた。
 さっきまで、
「ママを頼らずおもちゃの片付けは自分でしようね」ってレベルの話だったのに、いきなり一般人にそんな大それた使命を与えるなんて!
 どどど、どーしよーーーーっ!? ママ、どん引き…。
 でも最後の最後でウルトラマンメビウスがこう言ってくれた。
「ギリギリまで力を尽くしてもうまくいかない時は、僕が助けに行くからね」
 おおおおおおおお。
 よかったーーーっ!
 心からホッとしてしまったあたり、すでに私はウルトラマンの手のひらの上でコロコロ転がっているようだ…。
 罪な男…ウルトラマン…ふっ。