5、6歳男子の価値観は、1つしかない。
『強いか、弱いか』
みんな二言目には、「オレのほうが強い」「それって強い?」
ナオ太郎(仮名)が保育園に通っていた頃、中でも一番、強いコトにこだわっていたガキ大将がいた。
だけど、その子、やんちゃが過ぎて、ある日右腕を骨折しちゃった。
ギブスを付けた右腕を吊るして登園すると、クラスメートたちが、彼の利き腕になろうと助けた。
コップに水をくむのも…
左手で石けんを泡立てるのも…
荷物をカバンにつめるのも…
なにをするにも腕が痛むはずなのに、彼は少しも不便な思いなどしなかったそうだ。
そして彼は、やさしさを知った…。
だけど、だけど、その優しさは彼を心底から変えることはなかった…。
2日後、すっかり腕の痛みが取れた、彼。
3日後にはいつもの暴れん坊に、復活。
彼に思いやりを教えたはずのギプスの腕を振り回し…
クラスメートを追いかける始末。
つまり、ギプスの腕は、武器と化した。
感謝の期間はいつも短い……。
まー、これは大人の世界でも一緒なんだけど。