釣船 湘南 茅ヶ崎 一俊丸

36km@4時間達成!

 小学生の時の一番悲しい思い出は10歳の時の『図画工作』の授業のための素材を忘れたこと。
 以前も書いたが小学生の時6年間ずーーーっと『図画工作』の成績だけは満点の『5』。
私にとっては好きとか嫌いを通り越して、絵や工作だけが自己表現できる場だった。
 その大事な授業にあろうことか、工作の素材を忘れた私…。
しかも当時から赤面どもりだった私には先生にそれを告げることもできない。
 仕方なく手にしたのは机の上に置かれた石けん箱。
確か表面に『分かる』、裏面に『分からない』と書かれた紙が貼ってあったと思う。
授業中発言することなく先生に、理解の度合いを伝えるためのものだった。
 こっそり机の下で貼られた紙を剥がし、石けん箱一個での課題制作。
当然できたのは、みじめでこの上ないモノ…。
 投げやりに提出すると先生はありありとがっくりした顔で、
「これがナオミが作ったものか〜」
 その時に私は知った。
できるのに、達成できない環境こそが自分のストレスになる、と。
いや、例え自信のないことでもトライさえできない環境が一番のストレスになる、と言ってもいいかもしれない。
 ほら釣りでも自分がボウズなのは諦められても、船酔いで一日釣りにならなかったことは辛いじゃん。
(梅ちゃんの『起きろー』の声と共に飛んで来るアルミバットの鉄拳を含む)。
 
 と言う訳で、昨日初トライとなる4時間走。
すでに経験した人が、
「30キロ過ぎると別の世界だよー」とどんなに驚かそうが、実は私はワクワクしていた。
このところ仕事に追い回されていて『ナハまで後わずかなのに〜』の焦りと、純粋な走ることへの飢えみたいのがあったのも事実。
 茅ヶ崎漁港の脇の元グランドホテルからスタートし、海岸線のサイクリングロードを東へと走る。
途中辻堂の京浜公園の入り口近くの川を避けて135号線に入り、公園を突抜けサイクリングロードに戻ると、江の島が目の前に開けた。
 左手には新江の島水族館。
それを越えると目標地点まであとわずか。
 着いた。そこで私は愛しい看板の字を読んだ。
「島キチ丸』
 茅ヶ崎漁港から片瀬漁港制派。なんとなくツリオヤジとしての妙〜な達成感がある。
 走行距離9km、走行時間53分。
 くるりと振り返り、復路の時間に費やしたのも53分。
 そしてまた同じコース片瀬まで目指す。
最初は辛くなったらもっと早い段階で戻ろうと思ったのに、いざ走りだしたら『江の島をもう一度見るぞ!』と自分に堅く誓っていた。
 それでもみんなが言うとおり、半分を過ぎた頃(22km過ぎくらい)足やお尻の筋肉が痛くなってきた。
途中で立ち止まりストレッチ。
以前辛くて立ち止まっていた時におじいさんランナーが、
「一緒に行きましょう。1,2,1,2…」とずっと声をかけて並走してくれたのを思い出し、1人で大きい声を出して走ってみる。
「1,2,1,2…」
それをたびたび繰り返すとまた島キチ丸まで到達。走行時間は60分にまで伸びていた。
 2往復目の復路は、もうiPodのHIPHOPの軽快な曲頼り。
「YO-!」で一歩を踏みだし、「HO-!」で二歩目といった具合。
足やお尻の痛みには走り続けたほうが楽。
なぜなら走り出しが一番辛いから。
そう分かっているのに少しでも気が緩むとまた歩いてしまう。
結局3分の1は歩いてしまったろうか?
 それでも4時間以内に戻るという気力は途絶えなかったのは冷たい冬の空気のお陰だろう。
頭はいくら走ってもボ〜ッとせずクリアなままだった。
 結局2回目の復路は74分も費やしてしまったけれど、なんとか3時間59分で9kmを2往復36kmの結果!
これって今までの大会の成績から考えると、とんでもなくいい数字!
 ナニかの間違いじゃないかと、速攻自宅に戻ってグーグルマップで再度距離を計り直す。
どう計っても9kmだ。
 それでも信じられずランナー仲間や地元民に確かめる。
みんな「茅ヶ崎片瀬間は9km」と言ってくれたのだけど、合ってるよね? ポエマーさん、めだいさん?
 しかも体は正直なもので、36kmを認証するように今日の体は筋肉痛の嵐…。
立ち上がるのも一苦労。
以前なら『後ろからど〜ぞ』と言っていたポーズも、今日はまるで、生まれたての子馬…。

 ナハは湘南のように涼しくはないけれど、海岸線のように平坦でもないだろうけど、42.195kmの旅が楽しみになってきた私であった。
      (NAHAマラソンまであと26日)