釣船 湘南 茅ヶ崎 一俊丸

ガンに怯えなくても大丈夫

コーヒーがおかわり自由になってから、近所のマックはおばちゃんたちの憩いの場。

連日おばちゃん数人が『放射能ネタ』を大声でわめきちらしている。

「福島もチェルノブイリと同じレベル7だって」

あ〜、おばちゃん。

原子炉が大爆発したチェルノブイリとフクシマとは全く状況が違うんだよ。

しかもチェルノブイリの原子炉自体、国家レベルの秘密だったから、作業員に保護具着用もさせず現場に送ったり、当初住民避難をさせなかった政府のせいで被害が広まった。

「政府は隠してるけど、危険に違いないわ!」

日本政府は説明ベタだけど、全世界に秘密を持てるほどの力もないと思うんだけど……。

私は「ワイドショーばっかり見てないで、GGRKS〜」って言いたいのをグッと押さえる。

「あと5年くらいしたら、癌になる人増えちゃうわよ、きっと」

まるで本当の恐怖を感じるべきフクシマの作業員とか近隣の住民を、安全な東京にいながら、高みの見物気分で見下しているかのようだ。

彼らにとっては非難の対象が、放射能でも東電でも政府でも、エビゾーでも誰でもいい。

「福島の野菜を食べて癌になったら、政府はどう保障してくれるのかしら?」

すると、この一言で隣にいた、女王リカちゃん(仮名)がスクッと立上がった。

おばちゃん、その手にしているビックマックセットのカロリー全部で、1006Kcal。

そいつを消費するには(50歳、体重60キロの女性で)、2時間強のジョギングが必要だ。

情報はね、探せばあるんだよ。

私は慌ててリカちゃんを席に引っ張ってきながらも、心のうちでもう一度言い捨てる。

「GGRDB!」

まー、こういうおばちゃんは、正しい知識を知ったからといって、一歩たりとも動こうとしないだろうけど〜。