毎年夏になると思い出す古い映画がある。
Spike Lee の『DO THE RIGHT THING』
あまりに暑い日にアフロアメリカンたちが爆発して、イタリア移民のピザ屋を襲撃、火を付けちゃうって映画。
この映画が封切られて間もなく、ロス暴動が起きたのでこの映画の印象がさらに強くなった。
Spike Leeに言われるまでもなく、暑い日は忍耐を試される。
今日の運転中の私がそうだった。
帰宅を急ぐ私は最後のコーナーを曲がった時、道のド真ん中に止められた自転車に行く手を阻れた。
自転車の所有者のジィさんはすぐ近くにいた。
その片手のものを見た途端、私のイライラはピークに達した。
まだ午前だというのに、パック詰めの酒。
頼むよ。どいてくれ。
このままバックして私にもう一度大通りに戻れっていうの? 家はすぐそこなのに。
緊迫した日差しの中でジィさんと私の無言の攻防。
見つめ合うこと1分…。
ジィさんは手にしていた酒を道ばたに置き、自転車を移動しはじめた。
…勝った。
ゆっくりと車を滑らせジィさんの横をとおりながら、私は本当に言いたかった言葉を飲み込んだ。
『こんな暑い日は日本酒じゃなくて、ビール飲めー!』