アイスバケットチャレンジが、なんだか胡散臭いのは、やっぱり指名されたら次の人を指名、というシステムが、チェーンメールのように見えるからだろう。
『不幸になる』とか根も葉もない恐怖を煽るものばかりでなく、『良心を見せろ』というのもなにやらやっかい。
強制されて行う寄付ってどうなの、みたいな。
黙ってもくもくと海でゴミ拾いをしているおじさんたちのほうが、よっぽど偉いんじゃないかって思ってみたりもする。
それはさておき、実は先日「一俊丸応援隊長」と、自らを語っていてくださったお客様が病に倒れた。
ついこの間まで一緒に元気で釣りをしていたのに、どうやら難病にかかっていたことが発覚したそうだ。
病院のベッドからメールは、
「復帰はいつになるか分からない」と綴ってあった。
そんな状況なのに、「10万人に1人の病気だから、50キロのキハダ釣ったようなもんだ」と、メールに健気なユーモアを交えてることが、また泣ける。
「お見舞いに行きたい」と書いたら、
「毎日の渾身の釣果報告が充分なお見舞いだ」との返事。
それなら……と、3日考えた。
私のサイトを読むのを楽しみにしてくれているのなら、毎日のナオミブログは少しは闘病の気晴らしになるだろうか?
いやいや、と思い直す。
大体、自分は締め切りが、すごい嫌いだ。あの強制感。自分はネタの一つも提供できないくせに、高圧的に原稿を催促してくるアホ編集者。
もっと最悪なのは、スポンサーにばかり気を使って、人の渾身のネタに赤を入れる、ダメ編集者。
……って、話がそれた……。
とにかく『毎日』はきつい。でも『時々』なら、甘えができて、もっと書かなくなる。
もんもんとまた考える。
そもそも「応援隊長」が言ったのは『釣果ブログ』の話だ。ナオミブログなど読んでいないのかも?
釣りライターを辞めて、2年半。もう私のことなど誰も覚えていないのかもしれない。
あれやこれやと悩んでいる時間は死んでいるのと一緒。よし、と私は決意する。
今日はじめて話すお客さんに、決めてもらおう。もし私のことを知っていたら、『毎日ナオミブログ』決行する。
もし全く知らなかったら、別のお見舞いの方法を考える。
当然、後者のほうを激しく望んだ。みんなが思うほど、ネタを作るのは簡単じゃないんだ。
しかも『毎日』なんて、遅筆に自分には、不可能に近い。
ドキドキしながら、その日船に乗り込んだ時、隣の気の良さそうなお兄さんに聞いてみた。
「あの……、私、昔『マンガ家』って呼ばれていたことがあったのですが、知ってます?」
頼むよ「知らない」って言ってくれ〜、心の中で懇願する私。
でも彼は無慈悲にも即答。
き、決めたからには、やります。
これ見よがしのアイスバケットチャレンジより、黙って海岸のゴミを拾うおじさんのほうが偉いと思う。
でも誰かに見られていないと、自分の弱い意思ではちっとも達成できそうもないのだ。
ある意味、私なりの、アイスバケットチャレンジ。
これから難病に倒れたお客さんが退院するまで、毎日『ナオミブログ』か『ナッシングバットフィッシング(これは釣り用ブログ)』を、書き続けます。
守れなかったら、「応援隊長」のかかった難病の基金に、10万円寄付します。
証人は読者のみなさん。
ベッドの上で笑い転げるほどおもしろくなくても許してね。
今までありがとう「応援隊長」。復帰するまで「応援隊長」を、私が応援する番になる。






