リカちゃんが保育園に降り立った

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ナオ太郎(仮名)が通っていた保育園には、一定数、こんな感じのママがいて、それはそれはうんざりさせられた。

スーパーで売ってるスポーツブランドのトレーナーを着ていて、しかもそれをまるで誇示するかのように、いつもでかいロゴ付きを選んでいるママ。

父親が働く気ゼロなので、貧乏なのは当然だが、だからといってなにも手をうたない。しわ寄せはいつも子供。
息子にはお姉ちゃんのお下がりを、『着られる』という理由でいつまでも着せる、そんなママだ。

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ヤンママとは、違う。
彼らには一定のおしゃれ基準があって、それはそのカテゴリー外の人には謎な境地なのだが……(特にヤンキーの子供の襟足が、すだれになっているのは私には、理解不能)。
彼らにはなんらかの子供に対するルールがあることは確かなのだ。

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だけど、冒頭の貧乏なママには、それがない。
子供の髪の毛は伸び放題でも、おねえちゃんのお下がりの服が乳児用で肩にいまだに、ボタンがついていても、『着られれば』なんの問題もないのだ。
子供はすでに走りまわる年になっていても。
おへそが出るくらい丈が短くても。

「サッカーがやりたい」と子供にせがまれたらボール一個を手渡して、ビーサン履かせて外に出す、そんな親だ。

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ママはいつもだるくて、ダンナを働きに出すこともしなければ、自分がやしやしと金を稼ぐこともしない。
お金で興味があるのは、市で配られる低所得者層向けの補助金だけで、そういう時だけ真面目に資料を作る。

自分の不満のはけ口はいつも子供にまわるので、いつもそんな光景を見るたびに、いたたまれなくなる。なるべく一緒にいたくない。
一部の周りのママたちもひどいもので、そのママが席を外した途端に、いつも彼ら特異な親子の悪口大会を開催していた。
他人の不幸や批判で、自分を正当化させる最低な奥様たちだ。

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だけど……、

自分はどうだったんだろう?

貧乏なママに「ちゃんと働け」とアドバイスしたこともないし、ましてや割のいい仕事を紹介したこともない。
理不尽にママに怒られ続けているそのコに、優しい言葉をかけたこともなければ、その親子の間に入って止めたこともない。

対岸の火事、そう言ってしまえば、そのとおりなのだ。

恐らく、一緒にいたくない、いつもそう感じたのは、自分のそういう醜さを認識しなくてはならないのが嫌だったに違いない。

ところが、そんなくたびれた日常に突如現れた、1人のママ。

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空気をまったく読まない。
言ってることは合理的で、かつ常に正論。

リカちゃん(仮名)が、その保育園に降り立った日のことは、今もしっかり目に焼き付いている。

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当然、かばってくれる大人の登場に、さっきまでギャンギャンとママに怒鳴られたいた子供の目が輝いた。
彼にしたら、もしかしたら、リカちゃんは救世主に見えたのかもしれない。

しかしその目を見た、直後にリカちゃんが放った言葉は……

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正論を言う人が必ずも正義の味方とは限らない。

「リカちゃんが保育園に降り立った」への3件のフィードバック

  1. 物凄く正直な人なんですね!
    他人の立場で見れば気持ちいいけど、友人とか親戚にいたら怖い。

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