第24回NAHAマラソン

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2008年12月7日 沖縄にて 
………………………………………………

左手にドラゴンフルーツの看板が見えた時、一瞬時が止まった。

あ、これだ…。

ドラゴンフルーツ。
それはNAHAマラソン前日、車でコースを下見した仲間のランナーから聞いていた目印だった。

「前半のアップダウンはかなりキツイ。だけど20キロ過ぎにあるドラゴンフルーツの看板、それを境にコースはフラットか下りに変わる」
前半さえ乗り切れば後は楽…ジョグ歴半年、初のフルマラソンに挑む私は仲間の言葉をそう解釈した。

その天国の入り口が今、頭上に。
慌てて時計を確認するとスタートから2時間30分のタイム。

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3万人以上がエントリーしたこの大会。
ゼッケンが15000番代の私はスタートの合図を聞いても大渋滞のノロノロの中。
やっとスタート地点に辿りついた時は15分も経過。

若干走る余裕が出てきても、人、人、人でまるで明治神宮の初詣。
歩幅を少し大きくすれば前のランナーのシューズを踏んでしまいそう。

前半は坂より自分のペースで進めないこと、それが辛かった。
だから目標タイムでドラゴンフルーツに到達した時、
「おっしゃっ!」周りのランナーの視線も気にせず私はガッツポーズ!
後は下り、とすでに勝った気。

フルマラソンには魔物が潜む、私はまだそれを知る良しもなかった…。

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21・3キロ地点の第一関門も楽に突破。
背の高いサトウキビ畑を割った山道を抜け、風車が回る丘を越えると海を見渡せるコースに。
あまりの絶景に足を止め携帯で写真を撮るランナーも。

沖縄だ。那覇だ。
世界屈指の美しい南の島を私は一歩一歩駆け抜けている。
それだけで胸がジ〜ン。

25キロを過ぎた頃お尻の両側のほっぺが痛くなってきた。
だけどこれには慌てない。
以前自主トレで36キロ(自分の最長走行記録)を走った時もまず痛んだ場所だ。
落ち着いてコースアウトしストレッチで足をほぐす。

ゴールまで後15キロになった時はトイレに行くほど余裕もあった。
順番待ちをしている間には後ろの老夫婦と世間話。
「あと皇居3周分ですねー」

だけどなんか変…?
私の通うジムのトレーナーでさえ初のマラソンで完走できたのは4人中1人だけ。
過去の成績から見ても私はここまですんなり行き過ぎてる…。

「ここまで来たら例え歩いても完走できますよね?」
疑心暗鬼な私の表情を見て、老紳士はこう励ましてくれた。
「Yes You can!」

それからわずか1キロ、突然地獄の扉が開いた。
まずは左足のふくらはぎが痛んできた。
そこを庇って走るうちに今度は右足の太ももの上あたりの筋が痛み出した。

え? と思う間もなく、痛みはあっと言う間に加速、たちまち激痛に…。
それはいきなりたたき落とされた奈落の底…。

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実はこの時両足の親指の爪が半分ほど剥がれていたのだが、爪の痛みなど気がつかないくらい右足が痛んだ。
予測もしなかった展開に頭はパニック。
「と、とにかく歩いてでもゴールを目指そう。

どんな状態でも一歩でも先へと急ぐ気持ちならゴールまで必ず届く。
そう信じてスタートした。
しかし走っている時とは違い時間は無情のマッハのスピードでかっ飛んでいく…。

「第3関門まであと15分!」
沿道からの指示はショックのアッパーカット。
い、急がなきゃ!
痛む足を引きずってなんとか走り出す。

33キロ過ぎの関門を過ぎたのは制限時間の5時間ギリギリ。
だけどそこから先は一歩も走れない。
「あとわずか8キロだよ」の沿道の声援さえ絶望の声。
たったの8キロが今の私には永遠だ。

タイムは気になったけど少しでも楽になって走らなきゃと沿道でアイジングを受ける。
その後はすぐマッサージ。
倒れないための気合入れのノーパン作戦だが、もうそんなことにはかまっていられない。
捨て身で痛みの箇所を集中的にケアしてもらってもちっとも治らない…。

前半のアップダウンが28キロ過ぎに効いてきたのか?
それとも下りを楽観視したのがイケなかったのか?
いや、そもそも練習量が足りなかったのか?

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分かっているのはただ1つ。

甘かった…。

とにかく自分が甘かったのだ…。

無念。

もう走れない。

涙でむせぶ33.4キロ、事実上私のレースはここで終わった…。

前半水を被った体をキンキンに冷やしながら、足をズルズルとぼとぼ歩行…。
なんとかゴールしたのは、スタートから6時間30分過ぎ…。

そこは朝とはまるで別の場所。
南国の日差しは暗黒に変わり、スタッフの温かな視線は同情の眼差しに…。

く〜、負けるものか。
次こそはフルマラソン、完走するぞ〜!

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「第24回NAHAマラソン」への17件のフィードバック

  1. ナオミさん、ノーパンノーブラって気合入ってますね。
    それだったら、スタートすぐに前方に出る。
    て、抜かされそうになったら、短パンをTパックにする。
    みんなそそられて立ち止まる。
    みんな立っちゃて、立ってるのに立てなくなっちゃう。
    戦意喪失。
    そして完走勝利!
    って、混んでてそんなの無理ですよね。すんません。

  2. うるうる、姫殿、おいたわしゅうございます、爺は涙なくして、読めませなんだ。

  3. これが、前回の那覇マラソンかな?
    楽しく読んだよ~^^
    でも後15分なんてもったいなかったな~><
    でさ、新企画はどれ?
    一生懸命みたんだけど、見つからなかった。
    おせーて。

  4. 両足の親指の爪を剥がし、石抱きの刑で悶絶しながらも、ゴールしたのは偉いねぇ。
    やっぱ、実はMキャラなんだ!(^^

  5. ナオミちゃん
    仮装していかなかったから
    抜かれたんやね。
    仮装していけば~。
    ん~どんなんがええやろ?

  6. 次回はナオミさんらしいカッコで・・・
    そう!
    ゴム引き合羽に長靴で・・・
    完走して脱いだ時は
    そりゃぁ~
    清涼感いっぱいで気持ち良いですよ・・・
    多分ね!

  7. マラソンは30kmからとも 壁とも云われています 完走するには地道に練習しかあしません 頑張りましょう

  8. ノーパンって、ランパンには大体インナーが付いてますので、厳密に言えばインナーがパンツになるのではないでしょうか?
    まさか、インナー無しでノーパンとか?

  9. コスプレしてマラソンって流行ってるんですかね?
    マッハGOGOGOのコスプレに一票![E:paper]

  10. みなさん、応援コメントありがとうございます!
    あつしさんははじめまして、かな?
    また遊びに来て下さいね。
    >ポエマーさん
    表紙の下の特集、上から3つめです。
    ってゆーか、今度雑誌持って遊びに行くよw

  11. 何だかわからない、船宿(海釣り)探しているうちになおみさんと出会ってしまった多分こうなる運命だったのだろう、つまり運命的出会いというわけ、デカパイというところがいい。

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