7月に7号船が新たに加わり、週末は5隻の船が出ることもたまにある。
4隻から1隻増えた、5隻。
たった1隻増えただけなのに、正直予約管理が非常に難しくなったのは、想定外だった。
船の設備と船長の相性と、日程と天気……その他いろんな要素が加わって、随時頭の中がパニック。
早く慣れないと、慣れるためには、数をこなさないと、と焦る気持ちばかりだ。
その日の週末も、乗合が5隻でて、受付はアニキと私の2人体制。
この時期一番人気のコマセキハダのお客様のほとんどが、船上の人となった、出船30分前。
ようやく受付を待つ長い列がなくなって、ほっとすること10秒程度。
「受付しないなら……」の、怒りの声でふと顔を上げると、いつのまにか終わったと思っていた目の前の受付に、某キハダ常連氏が立っていた。
厳しい怒鳴り声に、途端に凍りつく店内。
出船時間が遅いためまだ店内にいた別の釣物のお客様が、たじっと身じろいだのが、視界の隅に見えた。
その日の受付ラスト1名だったその常連氏。
実はいつもビギナーさんやら、慣れていない人に、受付の順番を譲ってくれるため、必ず最後に並ぶ方だった。
その気遣いを、その日はまったく見逃してしまったーーーー。
慌てて平謝りする私。
これから楽しい釣りに行くというのに、最悪の空気が流れる店内。
も、も、も、申し訳ございませんでした!
あんまりショックだったので、その日の午後、別の港の女将さんに、
「受付はどうしているのか?」と、聞きに行ってきた。
朝のエピソードを話すと、意外な答えが返ってきた。
「そういう時こそ、女は笑顔を絶やさずに、店の雰囲気を守らないと」と、某女将さん。
「『そうですか……。
帰っちゃうなんて、寂しいですね……』と、伝えてから……、こう切り返す!」
うわーー。さすが、年季の入った女将さんは、変化球出すのがうまいわーー。
余裕のない私はすぐにストレートに打ち返しちゃうもん。
なんかすごい納得して、なんかすごい勉強になって、感心しながら、その店を後にしたら、今度はその隣の宿の女将さんに声を掛けられた。
「なに暗い顔してんのよ。夏の時期に働かなくて、いつ働くのよ。
頑張んなさいよ!」
機転がきいたり、タフになったり。
日々荒波に揉まれ成長しているのは、沖に出ている船長ばかりではないんだと、1人納得。







