西野さんにしてみれば、初のメインMC。私にしてみれば、一俊丸のシイラ船が試される場でもある。
だから西野さんも私も、『ザ・フィッシング』、メジャーデビューを控え、この世のプレッシャーの全てを背負ったかのような顔をしていた。
そして私たち2人が頼るといえば、やっぱり、この人しかいなかった。
ロケ前日のプラクティスに付き合ってくれたのは、師匠、村越プロ(当日の動画は>>)。
今にして思えば、当時村越プロは連日の取材攻勢中。それでも時間をさいてくれたのは、自身も不安だったんじゃないかと思う。
ぶっちゃけ、自分の馴染みの船宿で、自分が出演しちゃえば、何百倍も楽だったはず。
若手を育てること、船宿を育てること、村越プロの思いに、なんとしてでも応えなければならない。
ガチガチに固まる私たち2人とは対照的に、一度竿を握れば、常にビッグスマイルなのが、村越プロ。
その明るさが、すぐに船中に伝染していく。
状況は芳しくなく、昨日よりシイラの食いは悪くなっていた。
その日はチキチキメンバー3名も乗船。彼らだってルアーに関しては長いキャリアがあるのに、シイラはチェイスしか見せてくれない。
ところが村越プロは、まるで自分の池の鯉を拍手数回で呼ぶかのように、ポンポンとシイラを釣っていく。どんなに魚が沈んでいようと、ポッパーで魚を難なく引き出していく。
同じくシイラをヒットさせる西野さんと、
「やっぱブレードだね」など意見を交わせば、みるみるうちに西野さんの表情にも余裕が生まれてきた。
ポイント移動中は、あちこちでカツオのナブラがざわめいている。わーっと沸き上がったボイルの真ん中でキメジがハネた。





