『ツリまくりのイキまくり』15

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☆『ツリまくりのイキまくり』は隔週間つり情報に連載、のちに1999年に単行本になったものから抜粋、大幅改訂したものです ☆
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コマセダイの釣り方はこちらから
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15. 私は怒っている

 青物回遊、イカは入れ乗り、マダイも爆発近し…。
おいしい釣況情報をおかずにして、男ナシでもしっかりヌケル、秋の夜長。
中でも一押し大本命のワラサは初島周りで安定した釣果。

 機熟したり。
来るべき時が来た。

 デートの約束すっぽかし、レギュラー以外の全ての仕事はキャンセル。
前倒しした仕事のを徹夜、徹夜でこなし、作ったオフは日曜、祭日の月曜、飛んで木曜の3ディズ。

4

 しかし甘かった…。
私はまだワラサオヤジの恐ろしさを知らなかった。
ウィークエンドのワラサ船、予約を取ろうとしても満船、満船、どこも満船。
私の入り込む余地はまるでナシ。

 日曜日になって、気を取り直してイナダ船にでも乗ろうっと、茅ヶ崎港に着いたのは出船30分前。
甘かった、またまた甘かった…。
ここはここでイナダオヤジでめ〜一杯。
どこの船宿も満員御礼、定員ギリギリ大続出。
またもや私の入り込む余地はナシ。

 でも心はすっかり釣りモード。
ここまで来たら引き返せない。
どこかの船に乗らなきゃ、気がすまない。

 時はすでに6時。
出船に間に合うように到着できて、車に常備してあるタックルで釣れるもの…。
全速力で横横道路を突っ走る。
目指すは午後マダイ船!

3

 しかし場所と釣りものは変わっても状況は同じ。
あちこちで定員いっぱいと断られ、最後のチャンス。
某港の某丸で、
「2隻出すから乗れる」と、やっとオッケーを取った。

 やり〜っ!
右舷オモテを確保して、ほっと一息。

 ところが…甘かった…。
返す返すも、大アマ…。
私が乗り込んでから出船までの2時間半、来る客、来る客、乗せる、乗せるのこれでもか状態。
なんと隅と思って取ったオモテ席の左横にもさらに数人、船の突端までぎっちり乗り込ませた。

 肩が触れ合うほどのギュウギュウ詰め。
コマセバケツを受ける輪っかも足りないほどの大混雑、大ゲロ混みに…。

 コマセダイはご存知、テンビン仕掛け。
ハリスは長く4ピロ。
縦道具ならともかく、そんな仕掛けでオマツリさせないほうが無理。

 さらにサバなんか回ってきた時は、もう3人、4人仕掛けがからんでクチャクチャ、メチャメチャ、ひどいモン。
「蛍光玉をそんなに付けているから、サバが食っちゃうんだよ!」
隣の仕掛けに文句言うオヤジも出てきて、和気あいあいの乗合船のいつもの雰囲気はなく、妙〜に殺気立つ船上。
たったの40分で大きなため息とともに、竿をしまうオヤジも…。

 しかもポイント変えの移動の時、ベタなぎにも関わらずなぜか波を浴びまくる。
キャビンに避難しようにも、人がギチギチで、歩くスペースもない。
あっと言う間にオモテ付近のオヤジたちは全身水浸し。

 私のTシャツもバギーパンツも体にぺったり張り付いて、乳首透けまくり。
胸を張れずに前屈み状態の私。
それを見ていた周りのオヤジも、思わず前屈み。

 やっと日光で服が乾いてくると、決まってまた移動。
ポイントのほとんどは定置網付近。
10分とかからないのに、そのたびにまた、濡れ濡れ。
乾いては濡れ、乾いては濡れのくりかえしに、隣のオヤジはとうとうズボンを脱いで絞りだす。

 いくら快晴と言っても秋。
だんだん体が冷たくなってきて、私はとうとうブッチリ切れて、大爆発!

「ちくしょ〜!
こんなに濡らされるなら、もう脱いでやる〜っ!」

 でっかい声で叫んで、むかっ腹にまかせて立ち上がり、私もズボンを下ろす。
そのままパンティいっちょ(ちなみに色は黒)でスボンを絞り、Tシャツも下半分のおっぱいを見せながら、ギュウギュウ絞った。

6

 釣果は当然ながら、大半の人がオデコ。
なんとかサバとソウダでお土産作りで終了。
まともな釣りにならないんだもん、しょうがない。

 次の日の祭日はもう釣りを諦め、木曜に希望を託し釣り道具ショッピングと仕掛け作りに明け暮れた。

7

 そして待ちに待った、木曜日。
竿のリール、キャップまで新調して網代港からの午後船、ワラサ狙い。
台風の影響で少々ウネリがありそう。
状況を聞こうと午前中なんども船宿にコールしたけど、誰も出ない。
悪い予感がヒシヒシ押し寄せる…。

 しかし平塚、小田原…と車で通過した港はどこも出船。
なにより、予約したのは前日。
だ、だ、だ、大丈夫だよね…?

 ところが港に着くと、ガ〜ン! 
港は秋風が吹くだけで静まり返っている…。
だ、誰もいない…。
慌てて船宿にコールしても相変わらずのノーアンサー…。

 仕事を休んでつき合ってくれた釣友には平謝り。
午前船は出たようだけど、午後船はどの船宿からも出ないらしく、結局そのまま港を後にした。

2

 そういえば、ついてないと言えば、この間の新島周りの五目船でも、下田港で散々船に待たされたっけ…。
船が着くたびに、今度こそと走って見に行くと、よそのお迎え。
どんどん他のグループが出船する中、私たちは蚊の襲撃に耐えながら待ち続けた1時間45分…。

5

 こんなにひといことが続くなんて、私に運がないのか?
ああ、ワラサは遠い…。

 

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「『ツリまくりのイキまくり』15」への7件のフィードバック

  1. うぉおお~~!!
    黒パン……。
    『ツリまくりのイキまくり』をアマゾンで衝動買いしてしまいました。
    (新刊が無く古本でしたが……。)

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