★ 『ツリまくりのイキまくり』は隔週間つり情報に連載、のちに単行本になったものから抜粋、大幅改訂したものです ★
………………………………………
1. 私は奴にハマってる〜新安浦 こうゆう丸
悪い男が魅力的に見えちゃうことってあるよね。
クールでマイペースで浮気モンで…。
でもたま〜に(100回に1回ぐらいのことでも)優しくされたりすると、
「やっぱコイツじゃなきゃ、ダメェ〜」
…そして結局ズルズル。
のっけから演歌しちゃってるけど私の場合それは男じゃなくて、タチウオなんだよネ。
そう、奴、タチウオッ!

初めて奴を釣った時なんてうれしくって、3本の歯型を付けられた親指のエナメルを3日も塗り変えなかった。
(これって初めて彼女に声を上げさせた男のコが、自分の背中の爪痕を勲章のように感じているのと似てない?)
Any way、私は奴にラブラブ状態。
だってカッコイイじゃない、奴。
銀色に輝く長い姿態をくねらせて透明なセビレをなびかせているところなんて幻想的で、なおかつ迫力モン。
皮を剥がされた切り身のタチinパック詰めしか知らなかった私は、乗合船でその全身を見た時は本当にビックリ!
獰猛な顔に付いた大きな口。
カミソリのような歯。
危険な感じがまた私を燃えさせるんだっ、これが。
そしていざ釣ろうとするともうエサを取るのがうまいわ、掛かったと思ったら頑丈な歯でハリスごと切られちゃうわ…。
海に向かって、
「FUCK YOU,MA~N!」
中指立てたこともしょちゅう。

「もう2度と来ないぞ。お前だけが魚じゃないやい!」
と吐き捨てMR2のアクセルを踏み込んだのもたびたび。
それでも釣ってきた数少ない奴らを刺身だ、煮付けだ、ムニエルだ、と一口食べた途端、
「またイクぞぉ〜っ!」
なにしろウマイ! 激ウマ、ゲロウマ。
結果あっさりタチウオ船に戻る日々なのだ。
と言う訳でまた来てしまった。
新安浦のこうゆう丸から3度目にタチウオ釣り。
早くも周りから聞こえてくる、タチウオが船上で暴れるビターーーン! バタバタッの音。
この音を聞くとタチウオ釣りを実感して嬉しくなっちゃう。
3投目で私にも強烈な引き。
それからすかさず2本目、3本目もゲット!
むむむ…今日は憧れの夢にまで見た初体験。
ジャーン! 食いの良い日。
今までのポツポツの拾い釣りとは訳が違う。
投入のたびに出るアタリ。
まるで本命の男のコからデートに誘われたように私は有頂天。
もしかして1日中入れ食いの爆釣ディでは? とさらなる期待で竿を振るわせる私。

それにしてもいつも不思議に思うのは、日によって魚全員の食いがいいとか悪いとか、揃うこと。
毎朝、
「今日は食うのやめようぜ」
「今日はガンガン食ってやろうぜ」とか連絡しあっているのだろうか?
「俺はみんなと同じなんてごめんだね。
自分が食いたい時に食う」と70年代パンクロック風反抗的な奴とか、
「とにかく腹減っちゃって…」と、いつでも相撲部屋風の奴とかはいないんだろうか?
ウ〜ン、不思議。

しかし調子がよかったのも束の間、食いが止まってしまった。
こない、こない。
アタリがこない。
そのクセにエサだけはしっかり取っていっちゃう。
焦りまくる私…。
そこに若い船長(なかなかカッコイイぞ)の登場。
「おね〜さん、食いつきが悪くなっちゃったからアタリが分かるようにもっとゆっくり誘ってみな」
そこでリール一巻きくらいの短いシャクリに変えると…きたっ!
竿先に出た、プルプルっとエサを齧る感覚。
大慌てで合わせると…逃げられちゃった…。
「おねーさん、違うよ。
もっと竿先を50センチくらい上下にゆっくり誘ってみな」と、船長。
言われたとおりにヤってみても…またもや…に、逃げられちゃった…。
「ねーちゃん、違っが〜う! ちょっと竿貸してみな」
そこで手取り足取り教わった。

仕掛けを入れ直すとすぐまたタチウオは食ってくる。
でも伝わってくるアタリはコツコツ。
ググ〜ッという食い込みはない。
試しに大きく合わせてみる。
う〜ん、掛からない…。
エサをチェックしてみると、タチウオが食った後が…。
サバの切り身半分をバブルガムを噛むようにクッチャクチャにしている。
きっと奴は、どうしようかな〜?
このまま食いつこうかな〜?
ちょっとイヤな予感がするなぁ〜。
でも腹減ってるしな〜…とか考えていたんだよっ。
もう可愛い奴!

Let’s try it again!
誘いながら逃げちゃうんじゃないか、エサだけ取られちゃうんじゃないかと、もう心臓バコバコ。
そろそろ合わせちゃおうかな?
あと少し待ったほうがイイかな?
緊張の時間を異常に長く感じる私は、スーパー真剣!
(前技の長さを計るドーテー君もこんな風に悩むんだろうか?)
「おねーさん、次だな」
船長と隣のアニィに励まされて、コツッときた大きめのアタリで竿を素早くググッグーと持ち上げる。
…シーーーン…。
またダメだったの? と一瞬肩を落としたすぐ後に、グググ…
ギューーーン!
今まで感じたことのない強烈な引きっ!
大事に巻き上げると水面に透けて見えてきたのは銀色の影2つ。
「一荷で掛かってる!」
I didi it ! I made it !
涙で感ドーで…前が見えない。
ちくしょー。
今日の海はやけに眩しいぜ。
思えば茅ヶ崎の一俊丸で沖釣りブレイクしてから早数ヶ月。
いろんなコトがあった。
いつも1人で船に乗る私に、
「ナニかあったの?」とまるでグレちゃった娘を心配するように話かけてくれたツリオヤジもいた。

自分の釣りはそっちのけでドシロートの私にいろいろ世話を焼いてくれたツリオヤジ、
気を使ってくれた船長…本当にありがとう。
私はやっとタチウオとコミュニケートできるまで成長しました。
え〜ん、嬉しいよ〜。
…と、まるで最終回のようだけど、これが第1回目。
まだまだシロート臭い私ですが、みなさんよろしくど〜ぞ。

結局この日のタチ釣りは過去最高の8本で沖揚がりとなった。
夜ベッドに入ると海に誤って落とした水中ライトを思い出した。
海を汚しちゃったのは、ごめんなさい。
けれども真っ暗になった海底で今でも静かに光り続けるライトにタチウオが集まっているのかな? と思うと、なんだかすごく幸せな気持ちで眠りにつける私であった。
(おわり)
………………………………………
今から13年ほど前に書いたこの原稿。
当時はタチウオといえば、エサ釣りがメインだったんだよね〜。
魚との駆け引きという貴重なヨロコビを知った釣行であった。
先日久しぶりにこうゆう丸の船長さんとお会いしたら、しっかりこの時のことを覚えていてくれて、ちょい照れた〜。






初心に帰るみたいで、気持ちいいですね。
実はいまだに読んだことのない単行本…(汗)
とりあえず、私も自分の仕事を見つめなおして、足元をしっかり固めて仕事に励みます。
ちょこっと感動しましたよ。
懐かしい~!
これって、つり情報への処女作じゃなかったでしたっけ?わたしもよく覚えてます。
当時のインターネット仲間からは、Naomieさんの目撃情報が多数寄せられてました(^^)。
釣り場まではアメ車のトラックとか乗りつけてなかった?
粋な女性アングラーがまだ少なかった頃、とても目立ってたようですよ(^^)。
う~~~~~~ん♪
僕のタチウオ♪デビューも『こうゆう丸』さんだったなぁーーー♪
若いあんちゃんの船長でしたねー♪
常連さんに色々とご指導してもらって楽しい釣行だったのを覚えてますー♪
※いつみてもイラストが楽しいです♪
ワクワク♪ドキドキ♪
たちうおいいなぁ。
す・て・ち♪
でも初心者のうちから1人で乗り合いは
これまた凄いです。
オレは未だに1人でラーメンやさんに入れないビビリの小心者ですw
出張などで、どうしても1人でお昼の時はコンビニでお弁当買って食べてます
でも13年も前にこのような記事を書いてたんですね
すごいですねー
何となく当時の数少ないイケイケ女性アングラーの釣行記を楽しみに読んでた気がします。
オ~~!!!懐かしい、よくおぼえております。
そのときは大陸書房でしたね。
月日のたつのは早いものだ、あのころの初々しい姫はどこにいったのだ。
前と今と顔が違ってきていますネ!
本人同様
ますます美しくなってるような・・・・
う~んんんんんんんんん!
マンガでみると、ナオミさん最近太ってきてますね。。。
そういえば、タチウオ釣りもずいぶんやってないです。そろそろ丸長もタチウオやりますかね〜?
Webみたら、フグ釣れてるみたいですね〜。
すごい懐かしいですね~
当時の自分を思い出します...
タチウオは餌とルアーで反応が全く違いますね。
テクニカルな餌、ガツンと来るジグ。
どちらも楽しい。
ETC割引が1,000円。
高速料金がお得なうちに、タチウオ狙い。
駿河湾吉田沖、伊勢湾伊良湖まで遠征しますか?
タチウオ釣りは何だかスリルがあって楽しいですね。
ウブ?な時からチョイ悪に惹かれてたんですね~♪
いまではタチウオをムチ代わり??
タチウオおもしろいですよね
エサ釣りのテクニカルなところが好きで
毎年技の掛け合いに行きます
みなさま、読んでくださってありがとうございます。
自分でも懐かしいですね。
『ツリまくり〜』はこれから定期的に載せていきますので、ぜひまた読んで下さい。