The Way to ツリまくりライフ.12

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★ 『ツリまくりのイキまくり』は隔週間つり情報に連載、のちに単行本になったものから抜粋、大幅改訂したものです

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『特製ナオスペ』
大抵のツリオヤジと同じように、私も仕掛け作りが大好きだ。

船宿仕掛けで5尾釣れるところを、自製のナオスペで3尾なら、確実に後者のほうが嬉しいし、釣り師としてランクが上がった気がする。

以前、
「ナオスペェ〜?
お前がうまく作れるのは、オナスペくらいだろ?」と知人にオヤジギャグを飛ばされた時は、頭にカ〜ッと血がのぼった。

「私の神聖なナオスペをエロギャグで汚すのはやめてくれ!」

普段は下ネタ好きなのに、ナオスペに関しては、別。
真剣制作のナオスペを茶化す奴は許せん!

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威力アップのためには、定期的に釣り具やさんに通い、いろいろ材料を見つけてくるのも忘れない。

船で1人爆釣をキメているオヤジを見かければ、必ず声を掛け情報収集も怠らない。

そんな時に、
「枝バリを出すところは、編み込みしたほうが食いがいいよね」なんて、言われたら、絶対に真似をする。

すると例えば、コマセシャクリ用だと1つの仕掛けに4カ所も編み込みをすることに。

慣れない私は1本作るのに数時間も必要。
それでも苦労より、爆釣の誘惑のほうが遥かに上。

きれいに編み付けるにはハリスをピンと張っていなければならない。
そのためには口で糸をくわえたり、足の親指に糸をからめたりして、全身で対応する。

まるでヨガのポーズのような妙なカッコになって、必死に制作する姿を見た岩ボーは、
「買ったほうが早いよ」と、冷たい一言。
「分かってないな〜」とメゲない私は言い返し、制作の手を休めない。

時間がたつにつれて、むしろ手間ひまかけた分、余計に釣れる気さえしてくる。

もっとハリスは細くしよう。
ハリが小さいバージョンも作っておこう。

この間出会ったオヤジはウイリの替わりに、髪の毛巻いてきてたっけ。
それなら私はカールの効いた別のトコロの毛を…。
と、あちこちに工夫をこらしてみたくなる。

作業に集中していると、だんだんと自分の世界に突入。

食い渋りバージョン制作の時は、まず岩ボーの顔が浮かんでくる。
どんどんと私との釣果に差が開く船上で、岩ボーは悲痛な顔、
「ちょ、ちょっとお前の仕掛け貸せよ…」と、私に頼み込む。

「フフン、それが人に物を頼む態度かい?」

私の一言でちゃらい岩ボーはナオスペ欲しさに、はは〜っとひれふす。

ナオスペが次々できるごとに妄想もどんどん進む。

半分できた時点で、とうとう名人級のオヤジが私に注目。
腕組みしながら、
「ムムム…。ねーちゃん、できるな」

全部できあがる頃には、とうとう船中全員のオヤジが私を囲んで、尊敬の眼差し。

Img461

出船当日、もちろん私は朝から自信まんまん。

しかし妄想は出船後、わずかな時間できれいに打ち消される。
どんなに優しげでサービス業に徹している船長でも、ムゲに言われるいつもの一言によって…。

「なんだ、この仕掛け!?
これじゃあ、絶対に釣れないぞ!」

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