『ツリまくりのイキまくり』29

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★ 『ツリまくりのイキまくり』は隔週間つり情報に連載、のちに単行本になったものから抜粋、大幅改訂したものです

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『修行の道.1』〜飯岡港 幸丸

先日、チャラチャラした釣りを師匠にとがめられ、1から出直すことになった私。
ハゼの一束釣りの指令をお台場付近で、まずクリア。

おそるおそる、次のターゲットのお伺いをたてると、
「奥の深いウイリーのコマセシャクリに1人で行ってこい」

私は神妙な顔を崩さないように、
「…はい」
しかし内心は、ラッキ〜ッ!

実は私、この五目釣りが大好き。
ハナダイ、イサキ、カイワリ…が次々に掛かる入れ食いとなれば、股間が濡れるどころか、心臓麻痺直前におちいる。

もちろん初体験釣行の時はそうはいかなかった。
長仕掛けの扱いにモタモタ。
投入前から仕掛けはグチャグチャ。
やっとシャクリ始めても、爆釣を楽しむオヤジの間で私の竿だけは、空振りのまま。

なんとか釣りっぽくなってきたのは、何度も釣行を重ねてからのこと。
だから余計にこの釣りに愛着がある。
読者のみんなだって、簡単にモノにした女とは1回でバイバイだけど、苦労して手に入れた女とは何発もやっちゃうでしょ?

さっそく荷物を詰めこんで、1泊2日の修行の旅に出発。
まずはハナダイ爆釣のニュースが続く希望の地、飯岡港へ。

1

40分の行程ののち、ポイント到着。
さあ、ヤルゾ〜! と取り出したのは、ジャ〜ン! 
ナオスペウイリー仕掛けバージョン!

今回のナオスペは髪の毛振り乱し、格闘に格闘を重ねた、苦心作。
なにしろ金チヌ2号の小さいハリに、ウイリーを巻くのは至難の業。

1本巻くのにたっぷり40分。
さらにウイリーを巻いた残りのハリの隙間に、ハリスを結ぶのも涙もの!

しかし苦心作のわりには、ウイリーは均一に巻けていなくてボコボコ。
ハリスはハリからすっぽ抜けそう。

それでも今までの市販仕掛け使いからは、ウイリーシャクリのクロートに一歩全身だぜ!

2

いざ、投入。
2回のシャクリの後にすぐきた、アタリ。
ビビビビビビ〜ッ。ギュンギュン。

「あああ〜」と叫ぶ間に2人、3人を巻き込んだ、大オマツリに。
トラブルメーカーの正体は、サバ。

ガィ〜ン!
4時間も掛かって制作したナオスペ1号、ろくにシャクリもしないで30秒で死亡…。

つ、次こそは!
しかしすぐにくるアタリはやっぱり、サバ。

オマツリしなくても、仕掛けはブチ切られるか、再起不能なチリチリに…。
ナオスペは威力を試せないまま2号、3号、4号…と次々、殉職…。

Img454

く、くそぉ〜!
中にはアジも交じってくるけれど、とにかくサバが凄い!
しかも脂がのった大サバではなく、キープするには哀しいヤセた小サバ。

船が移動しても静かなのは、最初に1投だけ。
2投目からはサバがド〜ッと、どこからともなくやってきて、ワ〜ッと食いまくる。

海を覗いてみるとキラッと青く光りながら、サバの群れが高速でめちゃくちゃに走りまわっているのが、見える。
…ぞ〜…。
コマセの中でサバはまさに狂乱状態。
これじゃあ、血に飢えたオオカミの中に、小さいウサギを放り込んでいるようなもの。

6

サバがお腹いっぱいになり静かになるまで、とうとう投入を断念することに。
しかし私が竿を置いた途端に、隣のクロートっぽいオヤジが、ハナダイを釣りあげる。
ムムム…。

「ねーちゃん、サバのいないベタ底周辺だけでコマセを振りな」
すぐにクロートオヤジの真似をしようとすると、仕掛けを落とす途中でギュイ〜ン! サ、サバがまた食った…。

タ、タナに届きやしない…。
ちくしょー、サバの奴、どっか行けぇ〜!

サバの猛攻は休みなく続き、1枚のハナダイも掛けられないまま、とうとう沖揚がり1時間前…。
ナオスペは今日の分はとっくに使い果たし、明日の分の最後の1つ、15号も死亡…。
ガクッ。

4

そこにいつものごとく、ナイスな隣のオヤジから救いの手。
「ねーちゃん、これ使いな」
ポンと手渡されたのは自製仕掛け。

それは私のナオスペとは違い、ウイリーがきれいに巻かれた、まるで伝統工芸品。
ウイリーの色の選択も配色も、夜光玉が入っているのも私のとは違う。

3

投入してシャクリ出すと、明らかにサバとは違うアタリ。
アジかな?
とにかくサバに追い食いされないように、すぐに仕掛けを上げてみる。

フワ〜ッと上がってきたのは、ピンクの魚体!
「ハ、ハナダイだ。
やった〜っ!」

ボウズをのがれ、そしてなによりキュートなハナダイの姿に、ジ〜ン!
最後の最後でやっと取れた。
嬉しい〜っ!

でも仕掛けを替えた途端の本命の食い。
も、もしかして、今回釣果が上がらなかったのは、サバだけでなく、ナオスペのせい?

Img453

しかし家に帰ってゆっくり仕掛けを結び直す暇もない。
とにかくボロボロのナオスペの残骸をかき集める。

明日は一体どうしよう?
大きな不安を抱えたまま、私は1人、ピックアップを明日の修行の地、江見まで走らせるのであった。

「『ツリまくりのイキまくり』29」への4件のフィードバック

  1. >「ねーちゃん、サバのいないバタ底周辺だけでコマセを振りな」
    どの辺のタナなんでしょーか?

  2. >「ねーちゃん、サバのいないバタ底周辺だけでコマセを振りな」
    どの辺のタナなんでしょーか?

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