「キハダ釣りはメンタル勝負!」

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去年までは、『異常にじゃんけん弱い人』でとおっていた、N條さん。
コマセキハダ船に何十回も乗船するも、ヒット数も少なく、ぶっちゃけ勝負ごとには、どうも向かないように見えた。

しかし、今年の彼は、違った。

前日の席取りじゃんけんでは、ストレートで私に勝利。

そして乗船回数、わずか1〜2回のうちで、見事、30キロオーバーを仕留めた。

そのN條さんの変身の秘訣、それは『メンタル』だそうだ。

ノーヒットのうちに一日を終え、白目をむいて座り込んでいるキハダハンターを尻目に、沖揚がり後の勝利インタビューでも、N條さんは語るわ語る。
「ナオミさん、キハダ釣りはメンタルが命なんですよ!」

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検量中でも、

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カメラをむけても、

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誰に釣り方を聞かれても、

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どうやら乗船中も『メンタル連発』だったそうで、帰り際には同乗していた他のキハダハンターも、『メンタル』『メンタル』と言い出した。

まったくもって意味不だが、なんだか一日でN條さんは『メンタル教』を布教したかのようだった。

しかしその日、意外なことがおこった。
N條さんは次の日の予約もしているというのに、16時からの席取りじゃんけんもしないままで、帰宅してしまったのだ。

「そういえば、『メンタルさえ強ければ、座席なんてどこでも関係なく釣れる』って豪語していたよ」と、他の方々。

「明日はきっと胴の間で、メンタルの釣りを発揮してくれるんだね」と、みんな口々に言う。

おかしい……。
いくらなんでもそんなことがあるのだろうか……?

すると16時まであとわずか、という時にN條さんから電話。

先ほどのキハダを抱えた悠々たる様子はどこに?

わなわな震える声で、
「い、い、い、い、今、高速乗ってしまったところで、席取り忘れていたことに気がついて、Uターンして、猛スピードで船宿に戻るところです!」

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