『ツリまくりのイキまくり』10

Facebooktwittergoogle_plus

★ 『ツリまくりのイキまくり』は隔週間つり情報に連載、のちに単行本になったものから抜粋、大幅改訂したものです ★

アナゴの釣り方はこちら
          ………………………………………

11

10. 復讐大作戦〜鶴見港 富士丸 / 川崎 つり幸

 1回目3本…、2回目4本…。

 く〜っ。
これが私のアナゴの釣果。
決してマダイやワラサの釣果じゃあない。

 さんざんジラされ、やたらと前戯ばかりが長くて、いざソーニューとなったらたったの2コスリ半…。
私をそんなえらい欲求不満にさせる憎たらしいヌルヌル野郎のアナゴ。

 これで止めたらC.S.C.ナオミ、関東10万人のファンが泣く。
アナゴ復讐大作戦。
今度こそ絶対に、満足してみせるぞ。
I’m gonna kick your ass !

 第3ラウンドは鶴見の富士丸で。
過去2回の経験からあみだした、本日のアナゴ攻略法は…

1_2

 ところが当夜はむちゃくちゃ波が高いわ、潮が速いわで、いくら仕掛けを遠投しても、すぐ手前まで流されてきちゃう。
で、結局この夜もイイとこなしで、5本…。
地道に1本ずつ増えているところが、かえって情けない〜。

 第4ラウンドは川崎のつり幸。
本日のアナゴ攻略法は…

2

 今回はなんといっても、1カ月半ぶりに師匠が一緒。
これで醜態をさらしたら、どんなオシオキが待っていることやら…。

 ビクビクしながらのスタートだったが、今までで一番食いがいい。
日没後もコンスタントに食ってくる。
アナゴの気持ちになって活きがいいアオイソメを団子状に付けていく。
お願い、今日は私のエサに一番に食って。

6

 なるべく遠くに投げて探ると、ピクピクッ。
きた! 
すかさず大きくグッと合わせる。

 反射神経勝負ならオヤジに負けないぜっ。
ところが巻き上げても、軽い…。
そ、そんな馬鹿な!
カリカリカリカリ…速攻で巻き上げた先には空のハリ…。

 何度やっても結果は一緒。
エサだけが空しく取られるだけ。

 ど、ど、ど、ど、どーーーしてっ!?
前回は早合わせで掛かったのに〜!

5

 師匠は隣で数を重ねていく。
左隣の岩ボーの上司もコツを掴んだのか、だんだんペースを上げていく。
自分の未熟な腕が介在する余地を極力排した完全置き竿の岩ボーも、それなりに釣っている。

 とうとう私は釣り2回目の超〜ビギナー岩ボーのクライアント氏とスソ争いの接戦。
ううっ、情けない…。

 当初の目論みは大外れ。
泣きを見たのは私1人。
師匠が27本、上司氏12本、岩ボー9本。

 私はクライアント氏とタイの悲しく寂しい…5本。

「さ、さすが、師匠。堂々の竿頭…」
冷や汗をかきながらその場を取り繕うとする私に、お世辞がきかない師匠はニベもなく氷のような声で、
「今度、ツ抜けできなかったら頭を丸めろ」
 そ、そんなぁ〜!
ば、倍も釣るなんて〜!

10_2

 そしてラストファイナルは再びつり幸にて。
絶対10本、取らなきゃボウズの、本日の攻略法…

4

 竿2本で釣果が単純に倍、なんて甘くないのは知っている。
しかし今回は1本でも余計に釣らなきゃ。

 ところが置き竿でも合わせたほうが掛かりがいいから、目が離せない。
手持ちの竿を扱いながらも、置き竿が気になっていつもの4倍モタモタ、アタフタ。

 あぁ〜もぉ〜!
やっぱり1本竿にしておけばよかった。
藁をも掴む気持ちの2本竿が本当に藁だった。
よっぽどアナゴと相性が悪いのか、作戦失敗、ヤルコトヤルコト全部裏目。
夕まづめの30分の爆釣で師匠はすでに15本。
私はたったの3本。

 そして食いは見事にパ〜ッタリ。
ああ、今夜限り髪をアップにもできないし、髪の毛振り乱しての激しいメイクラブもできない。
抜け毛に悩むオヤジなんてかわいいもん。
私は今夜からボウズだ…。

3

 ところが思わず肩を落としたその時、竿先にきた確かなアタリ。
仕掛けが底に落ち切って、ため息の分小突きが遅れたら、ピクピクッ。

「あっ。もしや…!」
 小突きって私が考えていたより、もっとデリケート。
今みたいにほんのちょっと海底から浮かすだけで十分なんだ。

 あ、合わせなきゃ。
ま、待て。
早合わせは厳禁だ。
ひと呼吸おいて、ピクピクッが終わるか終わらないかのタイミングで…。

「エイッ!」
天に向けた竿先が重みでしなる。
か、掛かった…。

9

 そうか、そうだったんだ。
All right !  It’s too early to give up !

 もう、1本。なんとかもう1本だ。
微妙に小突き、アタリも逃さず大事に取っていく。
とうとう沖揚がり時間までに8本。

 そこで視界の隅に飛び込んできたのは、ほったらかしにしておいた置き竿の小さな反応。
左手を思いっきり伸ばして、なんとか合わせる。
あ、あと1本!

 しかしここで船長の無情の声。
後1本のところでゲームオーバーの沖揚がり…。

 それでも後半は我ながらよくやった。
もう思い残すこともない。
あとはおとなしくボウズになるだけだ…。

 そこに日頃のハードワークがたたって出船30分後からずっと寝こけていた某若手編集君がキャビンから出てきて、
「僕、1本しか釣れなかったから、ナオミさんにこれあげるよ」
「ほ、ほ、ほ、本当〜っ!?」

8

 慌てて周りを見渡すと、大丈夫師匠はこっちを見ていない。
師匠は日頃から釣魚オネダリは禁止しているけれど、もらっちゃダメとは言っていない。

 ひ、人からもらうのも技のうちだ!
「師匠〜!
やりました。
ジャスト10本、楽勝で〜すっ!」

 編集君の気が変わらないうちに、大声で叫ぶ私であった。

7

          ………………………………………

 状況によって誘いや合わせを変える、ということを初めて学んだアナゴ釣り。
今でも熱いあの夜のことを、鮮明に覚えています。

「『ツリまくりのイキまくり』10」への8件のフィードバック

  1. アナゴ、食い込み悪いからね~。
    イメージトレーニングが大切かも。
    ナオミちゃんの関東のファンは10万人か~。
    少ないんじゃない?

  2. 状況によって立場は上から真逆に堕ちる、ということを初めて学んだアナゴ釣り。
    今でも熱いあの夜のドSな女性釣り師のことを、鮮明に覚えています。

  3. ナオミさんの身体のいたる所に有る毛根からアナゴが生えて来るとか・・・。(笑)

  4. ゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚ あはは♪
    いつもながら楽しく拝見させてもらってます♪
    坊主????
    おいらは息子(小学5年生)の親子サッカー大会で見事にボロ負けしたので・・・・・・・
    頭は坊主デスΨ(`∀´)Ψケケケ
    シャンプーしても泡がでない・・・・・・・・・
    サングラスしてサッカーコーチすると・・・・・・・・><
    ((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

はるっち へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です