『ツリまくりのイキまくり』5

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★ 『ツリまくりのイキまくり』は隔週間つり情報に連載、のちに単行本になったものから抜粋、大幅改訂したものです ★
アコウダイの釣り方はこちら
          ………………………………………
5. 師匠の激怒〜早川港  富三丸
 RRR……。
Who’s damn calling me?
am2時の電話に腹立たしげにピックアップするとそこからは、悪魔の声が…それは、師匠のもの…。
 思わずベッドに正座して、
「お、おはようございますっ」
「お前なにかやましいことはないか?」
 お、怒ってる…。
もしかしてアレがバレたのか? アレか、アレなのか? それとも…?
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 起き抜けの頭をグルグル回しても答えは見つからない。
「女、子供の釣りはするな」
 どうやら最近、置き竿でカレイを釣ったり、向こう合わせでキスを釣ってそこそこの釣果を上げて喜んでいたのが師匠のゲキリンに触れたらしい…。
「小物をやるなら技を磨いてやれ。釣りをなめるな。
仕置きとして、手巻きでアコウを取って来い!」
 げげげげ〜っ!
「師匠、お願い。おっぱいも出す、パンツも下ろす、足も広げるっ。だから許して〜!」
「早川の富三丸に行け」
ガチャ。ツー・ツー・ツー…。
 I’m in big trouble〜!
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 私は岩ボーに泣きついた。
広告代理店の営業マン、口先だけで生きぬいてきた岩ボーなら師匠の怒りをうまく収めてくれるかもしれない。
 それなのに、彼は…
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 待て待て、諦めるのはまだ早い。
もう1人だよりになりそうなオヤジが。我らがつり情報ネギピー編集長。
 それなのに、彼は…
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 い、行ってきます…。
「ねぇちゃん、手巻きでヤルの? 最近じゃ安い電動リールあるよ」
いつものことながらツリオヤジたちは手巻きの私を単なるビンボー人扱い。
 もちろん手巻きは船中私1人。
私はブリッジの近くから竿を出し船長にぺったり。
な、なんかあったら助けてもらおう。
 なにしろ初めての深場釣り。
と、いうより手巻きにこだわる師匠の下にいる限り、絶対やることはないと思っていた深場釣り。
あぁ、まさか挑戦することになるとは…。
 まずはキンメのポイントへ。
水深は300メートル。
オモテから船長の合図で仕掛けを投入してイク。
 私は銅の間4番目。
船長に教わったとおりに船べりに並べた仕掛けが次々落ちていくのを見送る。
1分、2分…まだまだ海底に着かない。
ドンドン出てイク道糸を後で全部コリコリ巻き上げると思うと…クラッ…気が遠くなる思い…。
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 やっとオモリが着底すると、海底にオモリがトントン着いている状態をキープ。
慎重にタナ取りを繰り返す。
 そこにまずトモのオヤジの竿先がピクピク。
その後すぐその隣のオヤジの竿先にも反応が。
その横は私。ごくっ。
く、くるか…?
 ピクピク。 きた〜!
 みんなは追い食いを待っている。私はとても待てない(これは性格上の問題)。
ドキドキワクワク…顔は真剣に巻き上げ始める。
 50メートル…100メートル…。
大丈夫、巻ききれそう。
魚が付いていると思うと水深も気にならない。
 1つ目のハリが顔を出す。
2つ、3つ…6つ目…
え!? な、ない! 
なんにも付いてない! バ、バレちゃった!
 右腕には一気に300メートルの深さがのしかかる。
う〜これを後何回ヤルの〜?!
 ボウズのままでとうとうキンメ最後のポイントへ。
ここまでくるのに右腕はギシギシ。
 期待のアタリは今度はオモテから。
隣のオヤジまでくればドキドキマックス。
 しかし…シ〜ン…。
いくらドキドキしようとも私の竿先は…シ〜ン…無反応…。
 わ、私の隣で終わっちゃった。
これじゃあフォークダンスのマイムマイム状態(好きな男の子とあたる直前に曲が終わっちゃうアレ)。
 ど〜っぷり暗い気持ちで巻き上げると…アレ?
今度はついてる。キンメが1枚。
ハハハ〜なんとか釣ったぞ。
初めてのタイだ〜い!
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 いよいよさらにド〜ンと深いアコウのポイントへ。
キンメも釣ったし、こうなりゃアコウだって!
500メートルの深さなんかに負けないぜ!
 でも帰りたい…ちくしょー、ヤってやる…ヒ〜ン、逃げ出した〜い!
そんな頭の中大葛藤の複雑な心境の中、後ろから船長が、
「電動リールだしておいたから、使って」
「え? 手巻きで大丈夫です」
「ダメだよ」
「ダメ? どうしても?」
「うん。どうしても」
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 いや〜、もうすっごい残念! 
でも船長の言うことは絶対だもんね。
師匠だって納得してくれるはず。
ぜひぜひ手巻きで深海の帝王アコウに挑みたかったけど、トラブって船に迷惑かけちゃう訳にもイかないし…
…仕方ないかぁ〜と0,5秒考えて速攻リールを付け替える。
 結局小さいながらもアコウを2尾ゲット。
少しの余裕ができた私は最後のポイントでは人より早くアタリが出たこともあって、電動リールを手で巻いてみた(偉い!)。
充実した重みの中上がってきたのは、トウジン。
すっごいきぼち悪いルックスだけど500メートルの深海から釣り上げた奴は妙〜に愛おしく感じる。
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 一日緊張のあまり細かい状況は全然覚えていないんだけど、深場釣りってみんなで順序よく投入したり、船の一体感がいいよね。
 それにしてもstrangeな魚が目玉を飛び出させて次々上がってくるのには、イチイチびっくり。
「コレ、なに?」ってまるで3歳児のように一日聞きまくっていた私。
 毎度毎度ながら釣らせてくださった船長(いろんな意味でも)ありがとうございました。
 おっと…師匠の怒りは解けたかって?
わ、私は負けないぜーーーーっ!
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          ………………………………………
初のアコウ釣りは思い出深い富三丸からだった。
この時船長に教わった投入の仕方、仕掛けの扱い方は、今でも役に立っています。
ありがとう、船長!

「『ツリまくりのイキまくり』5」への14件のフィードバック

  1. すんません。
    爆笑させてもらいました[E:good]
    アチキが深場に挑戦する日が来たら、これ思い出して笑っちゃうんだろーなー。
    深場に行きたくなった深夜でした。もち手巻き?

  2. 手巻きでアコウの前に下見の意味で、東京タワーを見に行って、右折禁止レーンで捕まったのを思い出した(>_<)
    あの企画はろくなもんじゃない…( ̄ー ̄)

  3. この間、タックルベリーに買い物帰りにちょっとよったら、そんな手巻きのごっついリールがものすごくリーズナブルな値でありました。
    もちろん中古もいいとこ、ぼろぼろですが、ふっとナオミさん思い出しましたよ。

  4. 昔服部善郎名人が、深海釣りを始めた頃の苦労話を語っておられました。
    電動もPEもない昭和40年代、道糸はもちろんテトロン、なんとリールを2連結して使った時代があるようです。
    すごいですねえ。 どうやって1台のリールから他のリールに道糸を送るんだろ、と真剣に考えました。
    その後ミヤエポックが初めて電動出したとき、今日のように流行る時代が来る、とは想像も付きませんでした。 

  5. 22日に伊東で手巻きアカムツを
    実は電動のモーターがいかれて
    第1投から手巻きを行いました。
    220~250mの浅場だったけど・・・
    やっぱり
    1匹の価値はありますね・・・

  6. 俺は手巻きでアコウに向かう途中の、深夜の熱海で逆走してしまいかなり焦った。
    やる前から命懸けだったw。

  7. (。→ˇ艸←)プククッ☆
    お疲れさまですね♪
    師匠は厳しいお方ってことで・・・・・w
    naomie様は超!!!どMってことで
    (≧▽≦)/キャハハッァ♪♪

  8. >「師匠、お願い。おっぱいも出す、パンツも下ろす、足も広げるっ。だから許して〜!」
    私にも言ってください・・・

  9. ↑オレにも云って!w
    ・・・つか、
    ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆
    (*^ー^)/゚・:*:・。お誕生日☆。・:*:・゚\(^ー^*)
    (*^ー^)/゚・:*:・。おめでとう。・:*:・゚\(^ー^*)
    ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆
    いつも遊んでくれてありがとう♪
    ☆素敵なBirthdayになりますように☆
    より一層魅力的な女性になってください♪
    ( ̄ー ̄)ニヤリ\( ̄ー ̄;)ペシッ

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