『ツリまくりのイキまくり』3

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★ 『ツリまくりのイキまくり』は隔週間つり情報に連載、のちに単行本になったものから抜粋、大幅改訂したものです ★
フグのカットウ釣り
のハウツーはこちら

          ………………………………………
3. 最後の挑戦〜大原 鈴栄丸
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 深夜、鈴栄丸へ向かう車の中でも威嚇しまくり、気合入れまくりで臨んだ兄弟子岩ボーとのラストファイナル。
「今日こそ決着を」と2人ともそう思っていた。
 5時40分、まだ暗い海へと出船すれば、当然気持ちはさらに高ぶる。
私たちの熱い気持ちをくんでか、天気予報は外れ、ベタナギの快晴。
周りのツリオヤジたちはポイント到着すると同時に我先にとポツポツ釣り出した。
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 ところが私には…1時間…2時間…こない。
全然こないっ。
アタリすら、ない。
 師匠はもちろんのこと、近くのオヤジたちも次々釣ってイクというのに…
岩ボーと私だけパッタリ。
これじゃ、勝負どころか揃ってスソ、オデコ…。
 焦った岩ボーは徹夜で作ってきた8種類の『ナイス』な仕掛けを、とうとう船宿仕掛けに替える。
 私は私で必殺技のはずだった生アオヤギも柔らかくてもちが悪いと気づき、
結局、船宿支給の塩付けアオヤギに替えた…。
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 それでも釣れない…。
見かねた若船長がブリッジから出て来て私から竿を取り、
「俺の作った竿で釣れねぇわけないべ。一投目から釣ってやる」
 すると2分もしないうちに本当に釣れちゃった…。
 間もなくすると突然岩ボーも釣れだした。
最初の1尾でコツを掴むと後はバタバタと釣れるという、数釣りの典型的なパターンだ。
 岩ボーはフグの顔を見るとイチイチ私に、
「ほ〜ら。釣れたぞ〜」と見せびらかしながら、数を重ねていく。
その横で私は挑発にのるまいと、ただただ真剣に竿先を凝視。
「Stay Cool!」冷や汗をワンワンかきながらも、そう心の中で必死に叫んでいた。
 そんな私を助けてくれたのは、若船長と親父船長の2人。
2人に挟まれ、私はフグ釣り大特訓!
アタリと同時にクッと合わせると、同時に響く両船長の声。
「遅〜いっ!」
 つ、次はもっと素早くだ。
合わせの直後のグーン! とくる重みに大成功! …と喜ぶ間もなく、
「掛かってんよ! ほら。
早く早く巻いて、巻いてー!」
 みんな自分の竿先に集中する静かなフグ船で、私の周りだけ船長たちのダメ出しの絶叫が響く。
ひ〜ん。
これでは超〜スパルタの巨人の星!
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 それでも特訓&若船長オリジナルのダブルカットウ仕掛けのかいあって数はグングン伸びてイク。
10時ジャストにはとうとう12尾で岩ボーに追いついた。
 くっ。負けるか。
調子を上げているのは、私のほうだい!
 さらに竿先をにらみつけると…
ん? なんか変…。
竿が固まって動かなくなっちゃった…。
ね、根掛かり? 
でもやたらに重いし、しかもリールは巻ける。
 なに、なに、なにごとーーーー!?
 私がもたつくうちにここぞとばかりに釣りまくる岩ボーの姿が左手にチラリ。
妹弟子のトラブル解消の手助けどころか、チャンス到来とその顔はニヤついている。
「ひ、卑怯者めーー!」と叫んでも、どうしようもない。
 ?マークいっぱいの私の仕掛けがやっと上がってくる。
 …と、そこには…、
「き、きぼち悪い〜っ!」
 仕掛けに長い足をまとわり付かせていたのは、初めて見る生きてる姿…
1キロはある、マダコ。
(よく「最初にナマコを食った奴は偉い」と言うけれど、タコを最初に食らった奴も勇気あると思う)。
 ウネウネ抵抗する奴をなんとかクーラーにぶち込み、
(なんだかんだ言いながらしっかり持ち帰る)
はぁはぁと息は荒く、動揺は隠せないながらも試合再開。
 やっとペースを戻しかけたところで、目にとまったのはクーラーに張り付いた不思議な陰。
クーラーのほんのわずかな隙間、1センチもない隙間から這い出したタコの足…2本、3本…。
「げげげー。なんでーーー?」
 竿を投げ出しまたもやタコと大格闘。
1本の足をしまってるうちに、もう一本がクーラーの外に伸び…、
そのまた1本の足を掴んでいるうちに、別の一本が足を伸ばし…の際限なしのニュルニュル攻撃。
 そのタコ騒動のあった30分…。
 …フグ、入れ食い…。
 そしてその爆釣は2度と戻ってこなかった…。
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 13時の沖揚がり、岩ボーは18尾、私は14尾で…
ゲームオーバー…。
 ま、負けた…。
「ち、ちくしょうーーーっ!」
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  でもアパートに帰って腹立たしげにタコを食ったら…、
「うまぁぁぁぁぁ〜いっ!」
 今までスーパーの固い茹でダコしか知らなかった私は、もぉ〜感動〜。
ほんと、嬉しいんだか、悲しいんだか…。
 複雑な気持ちの中で1つだけクリアなのは、今シーズンもう一回はフグ釣りにイってヤルってこと。
これがラストゲームなんて、絶対、イヤ!
 あぁ、最後だ、ファイナルだと言っていたのはついこの間のコトだったのに…。
私のNOTHING BUT FISHINGの道はまだまだ続いてイク。
 
          ………………………………………
 当時、鈴栄丸には本当によく通ったなー。
心優しき親父船長が、数年前亡くなってしまったのが、悔やまれます…。

「『ツリまくりのイキまくり』3」への7件のフィードバック

  1. 来週水曜に、骨折から回復した友人連れて野毛屋からフグ行ってきます(^^ゞ
    来年は外房でフグやってみようかな…

  2. フグもやりたい
    いろいろやりたいものがあるのですが・・・
    なぜか
    釣の帰りのクーラーの中は
    キンメめクロムツ・アコウ等が・・・
    無意識に深い所へ釣りに行ってますw

  3. >タニさん
    東京湾のフグは難しいですよねー。
    >太陽さん
    そのとおり! 大漁の時の爽快感ったらないです!
    >やっさん
    技師やっさんならハマると思います。
    >キンメさん
    わははは。最近は無意識に走ってもいるようで、素晴らしいです!
    >リンゴさん
    そうですね…。
    頭の中は『湘南でサブスリー達成』で満タンですもんね!

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